女性ホルモン剤を男性が使う副作用とリスク|後悔しないために、自己判断で使う前に必ず知っておくこと
「女性ホルモンを使えば、胸がふくらんで、体が丸くなる」
インターネットで、そんな話を見たことが、あるかもしれません。
海外から、薬を取りよせている人の体験談も、見つかります。
先に、いちばん大事なことを書きます。
女性ホルモン剤は、医師が、検査をしながら使う「薬」です。自分の判断で使うと、命に関わる副作用が、起こることがあります。
このページでは、どんな危険があるのかを、できるだけ正確にお伝えします。
目次
- この記事を、読んでほしい人
- 女性ホルモン剤とは
- ネットで名前を見る、「エストロモン」「プレモン」「マレフェMTF」など
- 体に起きる変化(効果と、もどらない変化)
- 重い副作用
- 血栓症
- 肝臓への負担
- そのほか
- 医師のもとで使うのと、自分で使うのとの、ちがい
- 個人輸入の、危険
- 後悔しないために:すでに、自分で使っている人へ
- 体を変えたいと、本気で思っている人へ
- 相談できる場所
- 女装を楽しみたい人は、薬を使わなくていい
- サプリメントなら、安全?
- よくある質問
- 使って、後悔する人は、どんなことで後悔している?
- 少しの量なら、大丈夫?
- 塗り薬や、貼り薬なら、安全?
- 胸だけ、少し大きくして、やめればいい?
- 子どもは、ほしくない。だから、関係ない?
- まとめ
この記事を、読んでほしい人
- 女装をしていて、「体も、女性らしくしたい」と思っている
- 女性ホルモンの薬を、ネットで買おうか、考えている
- すでに、自分の判断で、使いはじめている
女装をするなら、いつかは、ホルモンを使うものなの?
いいえ。女装を楽しむことと、ホルモンで体を変えることは、まったく別のことです。ほとんどの人は、服とメイクだけで楽しんでいます
女性ホルモン剤とは
女性ホルモン(エストロゲン)の働きを持つ薬や、男性ホルモンの働きをおさえる薬のことです。
本来は、医師が処方する医薬品です。
更年期の治療や、性別への違和感に対する医療(ホルモン療法)で、検査と診察のもとに使われます。
サプリメントや、化粧品とは、まったくちがう物です。
ネットで名前を見る、「エストロモン」「プレモン」「マレフェMTF」など
個人輸入の通販サイトでは、「エストロモン」「プレモン」「マレフェMTF」「プロベラ」といった名前の薬が、売られています。
これらは、どれも、医療用の女性ホルモン剤(卵胞ホルモン・黄体ホルモンの薬)や、その後発品です。
「サプリメントのような物」では、ありません。医師が、検査の結果を見ながら、種類と量を決めて使う薬です。
通販サイトや、体験談のブログには、「飲み方」「量」「効果が出るまでの期間」が、書かれていることがあります。
でも、自分の体に合う量は、検査なしには、決められません。他人の飲み方を、まねしないでください。
体に起きる変化(効果と、もどらない変化)
男性の体に、女性ホルモン剤を使うと、次のような変化が起こります。
| 変化 | やめたら、もどる? |
|---|---|
| 乳房が、ふくらむ | もどらない。なくすには、手術が必要になる |
| 精子を作る力が、落ちる | もどらないことがある(子どもを作れなくなる可能性) |
| 性欲・勃起する力が、落ちる | もどることも、もどらないこともある |
| 精巣が、小さくなる | もどらないことがある |
| 筋肉がへり、脂肪がつきやすくなる | ある程度、もどる |
| 肌が、やわらかくなる。体毛が、うすくなる | ある程度、もどる |
| 気分が、変わりやすくなる | 人による |
変わらない物
- 骨格(肩幅・身長・手足の大きさ)
- 声(低くなった声は、高くならない)
- ヒゲ(うすくはなるが、なくならない)
- のどぼとけ
「女性ホルモンを使えば、女性の体になれる」わけでは、ありません。
「ちょっと試して、合わなければやめる」が、できない薬です。
胸のふくらみと、子どもを作る力は、やめても、もどらないことがあります。
重い副作用
女性ホルモン剤には、命に関わる副作用が、知られています。
血栓症
血管の中で、血がかたまる病気です。
足の血管にできたかたまりが、肺に飛ぶと、突然、息ができなくなります(肺塞栓症)。
脳の血管でつまれば、脳梗塞に。心臓の血管でつまれば、心筋梗塞に。
こんな人は、とくに危険が高い
- タバコを吸う
- 太っている
- 年齢が高い
- 血圧が高い・糖尿病がある
- 家族に、血栓症になった人がいる
- 長い時間、同じ姿勢でいることが多い
肝臓への負担
薬は、肝臓で処理されます。
使いつづけると、肝臓の働きが、悪くなることがあります。自分では、気づけません。血液検査で、はじめて分かります。
そのほか
- 気分の落ちこみ、うつ状態
- 頭痛、吐き気、むくみ
- 血圧の上昇
- ホルモンに関わる腫瘍
医師のもとで使うのと、自分で使うのとの、ちがい
| 医療機関で | 自分の判断で(個人輸入など) | |
|---|---|---|
| 使う前 | 診察・血液検査で、使っても安全かを確かめる | 何も、確かめない |
| 量 | その人の体に合わせて、医師が決める | ネットの情報で、自分で決める |
| 使っている間 | 定期的に、血液検査。異常があれば、すぐ対応 | 異常に、気づけない |
| 薬の品質 | 国内で承認された薬 | にせ物・成分のちがう物の可能性 |
| 副作用が出たとき | 医師が対応。国の救済制度がある | 救済制度の対象外 |
個人輸入の、危険
海外から、自分で薬を取りよせる(個人輸入)と。
- にせ物や、成分の量がちがう物が、まじっている
- 日本語の説明書がなく、正しい使い方が分からない
- 健康被害が出ても、国の「医薬品副作用被害救済制度」が、使えない
- 体調をくずしても、「何を、どれだけ使ったか」を医師に説明しにくい
厚生労働省も、医薬品の個人輸入について、注意を呼びかけています。
後悔しないために:すでに、自分で使っている人へ
責めるつもりは、ありません。
ただ、次のことを、今日から、してください。
- できるだけ早く、医療機関を受診する。使っている薬の名前と量を、正直に話す
- 血液検査を受ける
- 次の症状が出たら、すぐに救急へ
すぐに、救急車を呼ぶ症状
- 突然の、息苦しさ・胸の痛み
- 片方の足だけが、急にはれる・痛む
- 突然の、はげしい頭痛
- ろれつが、回らない。手足に、力が入らない
- 目が、急に見えにくくなる
「言ったら、怒られる」と思わなくて、大丈夫です。
医師は、あなたを責めるためではなく、助けるために、話を聞きます。
体を変えたいと、本気で思っている人へ
「趣味としての女装」ではなく、自分の体の性別そのものに、強い違和感がある。
そう感じているなら、それは、1人でかかえることでは、ありません。
相談できる場所
- ジェンダー外来・ジェンダークリニック 性別への違和感を、専門に診ている医療機関
- 精神科・心療内科 まず、気持ちを話す場所として
- 自治体の相談窓口 性的マイノリティのための、電話・対面の相談を行っている自治体がある
医療機関では、次のような順番で、進みます。
- 話を聞く(診察・カウンセリング)
- 診断
- 体の検査
- 治療について、良い面と悪い面の、説明を受ける
- 本人が納得したうえで、治療を始める
- 定期的に、検査を続ける
時間は、かかります。
でも、その時間は、元にもどせない選択を、後悔しないための物です。
女装を楽しみたい人は、薬を使わなくていい
「胸がほしい」「丸みのある体になりたい」
その気持ちの多くは、服の上からのシルエットで、かなえられます。
パッドは、外せば、元にもどります。
明日、ふつうの男性として、会社や学校に行けます。
もどれることは、大きな安心です。
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サプリメントなら、安全?
「薬は、こわい。サプリメントなら」と考える人も、います。
プエラリアなど、女性ホルモンに似た働きをうたうサプリメントにも、健康被害が報告されています。
「薬ではないから、安全」とは、言えません。
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よくある質問
使って、後悔する人は、どんなことで後悔している?
多いのは、次の3つです。
- 胸が、もどらない(夏の服・温泉・健康診断で、こまる)
- 子どもが、ほしくなったときに、精子を作る力が、もどっていない
- 体調をくずしたのに、何を使ったかを、医師に言い出せなかった
どれも、「始める前に、医師と話していれば」防げたことです。
少しの量なら、大丈夫?
「この量なら安全」とは、言えません。
少ない量でも、血栓症は起こりえます。体質によって、危険の大きさが、ちがうためです。
塗り薬や、貼り薬なら、安全?
飲み薬より、肝臓への負担は少ないとされますが、ホルモン剤であることは、変わりません。
医師の管理が、必要です。
胸だけ、少し大きくして、やめればいい?
一度ふくらんだ胸は、やめても、もどりません。
「ちょうどいい所で、止める」ことは、できません。
子どもは、ほしくない。だから、関係ない?
今は、そう思っていても、将来、気持ちが変わることがあります。
医療機関では、治療の前に、精子を保存する選択について、説明を受けられます。
まとめ
- 女性ホルモン剤は、医師が、検査をしながら使う薬
- 胸のふくらみと、子どもを作る力は、やめても、もどらないことがある
- 血栓症など、命に関わる副作用がある
- 個人輸入は、にせ物の危険があり、国の救済制度も使えない
- すでに使っている人は、早く医療機関へ
- 女装を楽しむだけなら、薬はいらない。パッドと下着で、安全に作れる
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