女性ホルモン剤を男性が使う副作用とリスク|後悔しないために、自己判断で使う前に必ず知っておくこと

「女性ホルモンを使えば、胸がふくらんで、体が丸くなる」

インターネットで、そんな話を見たことが、あるかもしれません。
海外から、薬を取りよせている人の体験談も、見つかります。

先に、いちばん大事なことを書きます。

女性ホルモン剤は、医師が、検査をしながら使う「薬」です。自分の判断で使うと、命に関わる副作用が、起こることがあります。

このページでは、どんな危険があるのかを、できるだけ正確にお伝えします。

目次
  1. この記事を、読んでほしい人
  2. 女性ホルモン剤とは
  3. ネットで名前を見る、「エストロモン」「プレモン」「マレフェMTF」など
  4. 体に起きる変化(効果と、もどらない変化)
  5. 重い副作用
  6. 血栓症
  7. 肝臓への負担
  8. そのほか
  9. 医師のもとで使うのと、自分で使うのとの、ちがい
  10. 個人輸入の、危険
  11. 後悔しないために:すでに、自分で使っている人へ
  12. 体を変えたいと、本気で思っている人へ
  13. 相談できる場所
  14. 女装を楽しみたい人は、薬を使わなくていい
  15. サプリメントなら、安全?
  16. よくある質問
  17. 使って、後悔する人は、どんなことで後悔している?
  18. 少しの量なら、大丈夫?
  19. 塗り薬や、貼り薬なら、安全?
  20. 胸だけ、少し大きくして、やめればいい?
  21. 子どもは、ほしくない。だから、関係ない?
  22. まとめ

この記事を、読んでほしい人

  • 女装をしていて、「体も、女性らしくしたい」と思っている
  • 女性ホルモンの薬を、ネットで買おうか、考えている
  • すでに、自分の判断で、使いはじめている
案内役

女装をするなら、いつかは、ホルモンを使うものなの?

案内役

いいえ。女装を楽しむことと、ホルモンで体を変えることは、まったく別のことです。ほとんどの人は、服とメイクだけで楽しんでいます

女性ホルモン剤とは

女性ホルモン(エストロゲン)の働きを持つ薬や、男性ホルモンの働きをおさえる薬のことです。

本来は、医師が処方する医薬品です。
更年期の治療や、性別への違和感に対する医療(ホルモン療法)で、検査と診察のもとに使われます。

サプリメントや、化粧品とは、まったくちがう物です。

ネットで名前を見る、「エストロモン」「プレモン」「マレフェMTF」など

個人輸入の通販サイトでは、「エストロモン」「プレモン」「マレフェMTF」「プロベラ」といった名前の薬が、売られています。

これらは、どれも、医療用の女性ホルモン剤(卵胞ホルモン・黄体ホルモンの薬)や、その後発品です。
「サプリメントのような物」では、ありません。医師が、検査の結果を見ながら、種類と量を決めて使う薬です。

通販サイトや、体験談のブログには、「飲み方」「量」「効果が出るまでの期間」が、書かれていることがあります。
でも、自分の体に合う量は、検査なしには、決められません。他人の飲み方を、まねしないでください。

体に起きる変化(効果と、もどらない変化)

男性の体に、女性ホルモン剤を使うと、次のような変化が起こります。

変化やめたら、もどる?
乳房が、ふくらむもどらない。なくすには、手術が必要になる
精子を作る力が、落ちるもどらないことがある(子どもを作れなくなる可能性)
性欲・勃起する力が、落ちるもどることも、もどらないこともある
精巣が、小さくなるもどらないことがある
筋肉がへり、脂肪がつきやすくなるある程度、もどる
肌が、やわらかくなる。体毛が、うすくなるある程度、もどる
気分が、変わりやすくなる人による

変わらない物

  • 骨格(肩幅・身長・手足の大きさ)
  • 声(低くなった声は、高くならない)
  • ヒゲ(うすくはなるが、なくならない)
  • のどぼとけ

「女性ホルモンを使えば、女性の体になれる」わけでは、ありません。

「ちょっと試して、合わなければやめる」が、できない薬です。
胸のふくらみと、子どもを作る力は、やめても、もどらないことがあります。

重い副作用

女性ホルモン剤には、命に関わる副作用が、知られています。

血栓症

血管の中で、血がかたまる病気です。

足の血管にできたかたまりが、肺に飛ぶと、突然、息ができなくなります(肺塞栓症)。
脳の血管でつまれば、脳梗塞に。心臓の血管でつまれば、心筋梗塞に。

こんな人は、とくに危険が高い

  • タバコを吸う
  • 太っている
  • 年齢が高い
  • 血圧が高い・糖尿病がある
  • 家族に、血栓症になった人がいる
  • 長い時間、同じ姿勢でいることが多い

肝臓への負担

薬は、肝臓で処理されます。
使いつづけると、肝臓の働きが、悪くなることがあります。自分では、気づけません。血液検査で、はじめて分かります。

そのほか

  • 気分の落ちこみ、うつ状態
  • 頭痛、吐き気、むくみ
  • 血圧の上昇
  • ホルモンに関わる腫瘍

医師のもとで使うのと、自分で使うのとの、ちがい

医療機関で自分の判断で(個人輸入など)
使う前診察・血液検査で、使っても安全かを確かめる何も、確かめない
量その人の体に合わせて、医師が決めるネットの情報で、自分で決める
使っている間定期的に、血液検査。異常があれば、すぐ対応異常に、気づけない
薬の品質国内で承認された薬にせ物・成分のちがう物の可能性
副作用が出たとき医師が対応。国の救済制度がある救済制度の対象外

個人輸入の、危険

海外から、自分で薬を取りよせる(個人輸入)と。

  • にせ物や、成分の量がちがう物が、まじっている
  • 日本語の説明書がなく、正しい使い方が分からない
  • 健康被害が出ても、国の「医薬品副作用被害救済制度」が、使えない
  • 体調をくずしても、「何を、どれだけ使ったか」を医師に説明しにくい

厚生労働省も、医薬品の個人輸入について、注意を呼びかけています。

後悔しないために:すでに、自分で使っている人へ

責めるつもりは、ありません。
ただ、次のことを、今日から、してください。

  1. できるだけ早く、医療機関を受診する。使っている薬の名前と量を、正直に話す
  2. 血液検査を受ける
  3. 次の症状が出たら、すぐに救急へ

すぐに、救急車を呼ぶ症状

  • 突然の、息苦しさ・胸の痛み
  • 片方の足だけが、急にはれる・痛む
  • 突然の、はげしい頭痛
  • ろれつが、回らない。手足に、力が入らない
  • 目が、急に見えにくくなる

「言ったら、怒られる」と思わなくて、大丈夫です。
医師は、あなたを責めるためではなく、助けるために、話を聞きます。

体を変えたいと、本気で思っている人へ

「趣味としての女装」ではなく、自分の体の性別そのものに、強い違和感がある。

そう感じているなら、それは、1人でかかえることでは、ありません。

相談できる場所

  • ジェンダー外来・ジェンダークリニック 性別への違和感を、専門に診ている医療機関
  • 精神科・心療内科 まず、気持ちを話す場所として
  • 自治体の相談窓口 性的マイノリティのための、電話・対面の相談を行っている自治体がある

医療機関では、次のような順番で、進みます。

  1. 話を聞く(診察・カウンセリング)
  2. 診断
  3. 体の検査
  4. 治療について、良い面と悪い面の、説明を受ける
  5. 本人が納得したうえで、治療を始める
  6. 定期的に、検査を続ける

時間は、かかります。
でも、その時間は、元にもどせない選択を、後悔しないための物です。

女装を楽しみたい人は、薬を使わなくていい

「胸がほしい」「丸みのある体になりたい」

その気持ちの多くは、服の上からのシルエットで、かなえられます。

ほしい物薬を使わない方法
胸のふくらみブラと、パッド
くびれ補整下着、ウエストニッパー
腰とおしりの丸みヒップパッド
なめらかな肌スキンケア、ムダ毛の処理
ヒゲ剃る、メイクで隠す、脱毛

パッドは、外せば、元にもどります。
明日、ふつうの男性として、会社や学校に行けます。

もどれることは、大きな安心です。

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サプリメントなら、安全?

「薬は、こわい。サプリメントなら」と考える人も、います。

プエラリアなど、女性ホルモンに似た働きをうたうサプリメントにも、健康被害が報告されています。
「薬ではないから、安全」とは、言えません。

あわせて読むプエラリアを男性が飲むとどうなる?効果・経過の体験談・危険性と、飲む前に知っておきたいこと

よくある質問

使って、後悔する人は、どんなことで後悔している?

多いのは、次の3つです。

  • 胸が、もどらない(夏の服・温泉・健康診断で、こまる)
  • 子どもが、ほしくなったときに、精子を作る力が、もどっていない
  • 体調をくずしたのに、何を使ったかを、医師に言い出せなかった

どれも、「始める前に、医師と話していれば」防げたことです。

少しの量なら、大丈夫?

「この量なら安全」とは、言えません。
少ない量でも、血栓症は起こりえます。体質によって、危険の大きさが、ちがうためです。

塗り薬や、貼り薬なら、安全?

飲み薬より、肝臓への負担は少ないとされますが、ホルモン剤であることは、変わりません。
医師の管理が、必要です。

胸だけ、少し大きくして、やめればいい?

一度ふくらんだ胸は、やめても、もどりません。
「ちょうどいい所で、止める」ことは、できません。

子どもは、ほしくない。だから、関係ない?

今は、そう思っていても、将来、気持ちが変わることがあります。
医療機関では、治療の前に、精子を保存する選択について、説明を受けられます。

まとめ

  • 女性ホルモン剤は、医師が、検査をしながら使う薬
  • 胸のふくらみと、子どもを作る力は、やめても、もどらないことがある
  • 血栓症など、命に関わる副作用がある
  • 個人輸入は、にせ物の危険があり、国の救済制度も使えない
  • すでに使っている人は、早く医療機関へ
  • 女装を楽しむだけなら、薬はいらない。パッドと下着で、安全に作れる
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