女装と「心の性」「好きになる相手」は別のこと|性自認・性的指向との関係と、悩んだときの相談先
「女装がしたい自分は、ゲイなんだろうか」
「女性に、なりたいんだろうか」
「ただの趣味なのか、それとも、もっと深いものなのか」
女装をしていると、ふと、こんな疑問が、うかぶことがあります。
先に、答えを言います。
「女装をすること」と、「心の性」と、「好きになる相手」は、それぞれ、別のことです。
そして、今すぐ、答えを出す必要は、ありません。
目次
- 3つは、別々のもの
- よくある、思いこみ
- 「女装をする人は、男性が好き」
- 「女装をする人は、女性になりたい」
- 「女装は、病気・変な趣味」
- 女装をする人の、いろいろなあり方
- 「自分は、女性になりたいのかも」と、感じたら
- 急いで、決めない
- 性別の違和感は、「心の病気」とは、されなくなっている
- 専門の医療機関が、ある
- 相談できる、相手
- 同じ立場の人に、匿名で、話してみる
- 公的な、相談窓口
- 好きになる相手で、悩んだら
- パートナー・家族に、聞かれたら
- 女装をする人どうしでも、ちがう
- よくある質問
- 女装をしていたら、だんだん、女性になりたくなる?
- 子どものころから、女の子の服が着たかった。トランスジェンダーなの?
- 女装のあと、はげしく落ちこむ・自分が、いやになる
- だれにも、言えない
- まとめ
3つは、別々のもの
| 意味 | 例 | |
|---|---|---|
| 服装・見た目(性表現) | どんな服・髪・メイクを、したいか | 女装をする・しない |
| 心の性(性自認) | 自分の性別を、どう感じているか | 男性・女性・どちらでもない、など |
| 好きになる相手(性的指向) | 恋愛の気持ちが、だれに向くか | 女性・男性・両方・だれにも向かない、など |
この3つは、1つが決まれば、ほかも決まる、というものでは、ありません。
- 女装をするけれど、自分は男性だと感じていて、女性が好き
- 女装をするけれど、自分は男性だと感じていて、男性が好き
- 女装をしていて、自分は女性だと感じている
- 自分の性別が、男性・女性のどちらとも、言いきれない
どれも、あります。どれが多い・少ないを、気にする必要は、ありません。
かわいい服が、着たいだけなんだけど……それって、何か、名前がつくの?
名前を、つけなくていいんですよ。「かわいい服が好きな人」。それで、十分です
よくある、思いこみ
「女装をする人は、男性が好き」
関係ありません。
女装をする人には、女性が好きな人も、男性が好きな人も、います。結婚して、子どもがいる人も、います。
「女装をする人は、女性になりたい」
そうとは、かぎりません。
男性である自分は、そのままで、服とメイクを楽しんでいる人が、たくさんいます。
「女装は、病気・変な趣味」
病気では、ありません。
どんな服を着るかは、その人の自由です。
あわせて読む女装を始めたくなる理由ときっかけ|「自分だけじゃない」と分かる、よくある6つの入口
女装をする人の、いろいろなあり方
「なぜ、女装をするのか」は、人によって、ちがいます。
- 変身が、楽しい
- かわいい服・メイクそのものが、好き
- 「男らしさ」から、はなれる時間がほしい
- キャラクターに、なりたい
- 女性の姿でいるほうが、自分らしいと感じる
- 理由は、分からない。でも、楽しい
1つに決めなくて、かまいません。
時間がたつと、変わることも、あります。
「自分は、女性になりたいのかも」と、感じたら
女装を続けるうちに、こう感じる人も、います。
- 男性の姿にもどるのが、つらい
- 自分の体・声・ヒゲに、強い違和感がある
- 女性として、あつかわれたい。女性として、生きたい
これは、「趣味の女装」とは、少しちがう気持ちかもしれません。
急いで、決めない
「自分は、どちらなのか」に、すぐに答えを出さなくて、大丈夫です。
- 女装が楽しいことと、女性として生きたいことは、別の気持ち
- 気持ちは、ゆれる。昨日と今日で、ちがっていい
- 取り返しのつかないこと(薬・手術・仕事をやめる)を、気持ちがゆれているうちに、決めない
性別の違和感は、「心の病気」とは、されなくなっている
自分の性別への、強い違和感。医療の世界では、「性別不合」「性別違和」と、呼ばれています。
世界保健機関(WHO)の、病気の分類では、これは、「精神の病気」の章から、外されています。
「おかしい」「直すべきもの」とは、考えられなくなっているのです。
専門の医療機関が、ある
つらさが続くときは、性別の違和感を、専門にみる医療機関(ジェンダークリニック・精神科)で、相談できます。
そこでは、時間をかけて、話を聞き、どうしていきたいかを、いっしょに考えてくれます。
「行ったら、すぐに何かが決まってしまう」わけでは、ありません。
ホルモン剤を、自己判断で使わない
ネットで買えるホルモン剤や、「女性らしくなる」とうたうサプリを、自分の判断で使うのは、とても危険です。
血のかたまりが、血管につまる病気など、命に関わる副作用があります。子どもを作る力が、もどらなくなることも、あります。
あわせて読む女性ホルモン剤を男性が使う副作用とリスク|後悔しないために、自己判断で使う前に必ず知っておくこと
相談できる、相手
だれにも言えずに、1人でかかえて、苦しくなったら。
知り合いではない人に、話してみる方法が、あります。
同じ立場の人に、匿名で、話してみる
「国の相談窓口に、電話をかける」
それは、気が重い。何を話せばいいのかも、分からない。
そう感じる人は、多いはずです。
そんな人のために、「LGBTQ+・性の悩み相談」を、ネットで受けられるサービスが、あります。
自分も、同じことで悩んできた当事者の人や、カウンセラーなどが、メッセージ・電話で、話を聞いてくれます。
こんな人に、向いています
- 電話は、にがて。文字で、やりとりしたい
- 同じ経験をした人に、聞いてみたい
- 相手を、自分で選びたい(プロフィール・口コミを見て、えらべる)
- 匿名で、相談したい
- 「悩み」というほど、はっきりしていない。ただ、聞いてほしい
「女装が好きな自分は、何なのだろう」
「同じように感じていた人は、どうやって、答えを出したのだろう」
そんな、まとまらない気持ちのままで、かまいません。
使う前に、確かめること
- 料金は、相手によって、ちがいます(電話は、1分ごとに、かかる形が多い)。先に、金額を確かめましょう
- 相談にのる人は、資格を持つ人ばかりでは、ありません。プロフィールで、どんな人かを、確かめましょう
- 医療の相談・診断の、代わりには、なりません。ホルモン剤・手術・診断のことは、医療機関で
公的な、相談窓口
今すぐ、電話で、声で話したい人には、公的な窓口も、あります。
| 窓口 | 内容 |
|---|---|
| よりそいホットライン 0120-279-338 | 24時間・通話無料。音声の案内で、性別や、同性愛などについての相談を選べる |
| みんなの人権110番 0570-003-110 | 法務局の相談窓口。平日の午前8時30分〜午後5時15分。秘密は、守られる |
| 住んでいる都道府県・市区町村の相談窓口 | 性の多様性(LGBTQ)についての、電話・SNS相談がある自治体が、ふえている |
受付の時間や、番号は、変わることがあります。かける前に、公式のサイトで、確かめてください。
つらさが強いとき・消えてしまいたいと思うとき
すぐに、よりそいホットライン(0120-279-338)に、電話してください。24時間、つながります。
好きになる相手で、悩んだら
「男性に、ひかれる気がする」
「女装をしているときだけ、男性にやさしくされたい、と思う」
これも、めずらしいことでは、ありません。
- 好きになる相手は、自分で、えらべるものでは、ない
- だれを好きになっても、おかしくない
- 女装のときと、ふだんとで、気持ちがちがう人もいる
- 名前(ゲイ・バイセクシュアルなど)を、自分に、つけなくてもいい
上で紹介した相談の相手は、こうした悩みも、聞いてくれます。
パートナー・家族に、聞かれたら
「女になりたいの?」「男が、好きなの?」
女装を知った人から、よく出る質問です。
相手は、自分との関係が、変わってしまうのではと、不安なのです。
- 自分の気持ちを、そのまま伝える(「女性になりたいわけでは、ない」「まだ、自分でも分からない」)
- 「分からない」も、りっぱな答え
- 相手との関係を、どうしたいかを、伝える
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女装をする人どうしでも、ちがう
女装の世界には、いろいろな人がいます。
- 趣味として、楽しむ人
- 女性として、生活している人
- その、あいだの人
自分とちがうあり方を、「まちがっている」と、決めつけない。
「本気じゃない」「ただの趣味のくせに」「やりすぎ」。
こういう言葉は、だれも、幸せにしません。
相手を、どう呼べばいいか分からないときは、相手が、自分のことを、どう言っているかに、合わせましょう。
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よくある質問
女装をしていたら、だんだん、女性になりたくなる?
なる人も、ならない人も、います。
女装を、何十年も、趣味として楽しんでいる人が、たくさんいます。
子どものころから、女の子の服が着たかった。トランスジェンダーなの?
それだけでは、決まりません。
大事なのは、今、自分がどう感じていて、これから、どう生きたいかです。
答えを、自分で決めつけず、専門の窓口で、話してみてください。
女装のあと、はげしく落ちこむ・自分が、いやになる
「いけないことをした」という気持ちが、強く出ることがあります。
女装は、悪いことでは、ありません。
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だれにも、言えない
言わなくて、かまいません。
ただ、苦しいときは、上で紹介したように、知り合いではない人に、話してみる方法があります。
まとめ
- 女装をすること・心の性・好きになる相手は、それぞれ別のこと
- 女装をするからといって、女性になりたい・男性が好き、とは、かぎらない
- 「自分は、どちらなのか」に、急いで答えを出さなくていい
- 性別への強い違和感が続くときは、専門の医療機関や、相談窓口へ
- ホルモン剤を、自己判断で使わない
- 1人でかかえて苦しいときは、同じ立場の人に、匿名で話してみる
- 自分とちがうあり方の人を、決めつけない
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