女装と「心の性」「好きになる相手」は別のこと|性自認・性的指向との関係と、悩んだときの相談先

「女装がしたい自分は、ゲイなんだろうか」
「女性に、なりたいんだろうか」
「ただの趣味なのか、それとも、もっと深いものなのか」

女装をしていると、ふと、こんな疑問が、うかぶことがあります。

先に、答えを言います。

「女装をすること」と、「心の性」と、「好きになる相手」は、それぞれ、別のことです。

そして、今すぐ、答えを出す必要は、ありません。

目次
  1. 3つは、別々のもの
  2. よくある、思いこみ
  3. 「女装をする人は、男性が好き」
  4. 「女装をする人は、女性になりたい」
  5. 「女装は、病気・変な趣味」
  6. 女装をする人の、いろいろなあり方
  7. 「自分は、女性になりたいのかも」と、感じたら
  8. 急いで、決めない
  9. 性別の違和感は、「心の病気」とは、されなくなっている
  10. 専門の医療機関が、ある
  11. 相談できる、相手
  12. 同じ立場の人に、匿名で、話してみる
  13. 公的な、相談窓口
  14. 好きになる相手で、悩んだら
  15. パートナー・家族に、聞かれたら
  16. 女装をする人どうしでも、ちがう
  17. よくある質問
  18. 女装をしていたら、だんだん、女性になりたくなる?
  19. 子どものころから、女の子の服が着たかった。トランスジェンダーなの?
  20. 女装のあと、はげしく落ちこむ・自分が、いやになる
  21. だれにも、言えない
  22. まとめ

3つは、別々のもの

意味例
服装・見た目(性表現)どんな服・髪・メイクを、したいか女装をする・しない
心の性(性自認)自分の性別を、どう感じているか男性・女性・どちらでもない、など
好きになる相手(性的指向)恋愛の気持ちが、だれに向くか女性・男性・両方・だれにも向かない、など

この3つは、1つが決まれば、ほかも決まる、というものでは、ありません。

  • 女装をするけれど、自分は男性だと感じていて、女性が好き
  • 女装をするけれど、自分は男性だと感じていて、男性が好き
  • 女装をしていて、自分は女性だと感じている
  • 自分の性別が、男性・女性のどちらとも、言いきれない

どれも、あります。どれが多い・少ないを、気にする必要は、ありません。

案内役

かわいい服が、着たいだけなんだけど……それって、何か、名前がつくの?

案内役

名前を、つけなくていいんですよ。「かわいい服が好きな人」。それで、十分です

よくある、思いこみ

「女装をする人は、男性が好き」

関係ありません。
女装をする人には、女性が好きな人も、男性が好きな人も、います。結婚して、子どもがいる人も、います。

「女装をする人は、女性になりたい」

そうとは、かぎりません。
男性である自分は、そのままで、服とメイクを楽しんでいる人が、たくさんいます。

「女装は、病気・変な趣味」

病気では、ありません。
どんな服を着るかは、その人の自由です。

あわせて読む女装を始めたくなる理由ときっかけ|「自分だけじゃない」と分かる、よくある6つの入口

女装をする人の、いろいろなあり方

「なぜ、女装をするのか」は、人によって、ちがいます。

  • 変身が、楽しい
  • かわいい服・メイクそのものが、好き
  • 「男らしさ」から、はなれる時間がほしい
  • キャラクターに、なりたい
  • 女性の姿でいるほうが、自分らしいと感じる
  • 理由は、分からない。でも、楽しい

1つに決めなくて、かまいません。
時間がたつと、変わることも、あります。

「自分は、女性になりたいのかも」と、感じたら

女装を続けるうちに、こう感じる人も、います。

  • 男性の姿にもどるのが、つらい
  • 自分の体・声・ヒゲに、強い違和感がある
  • 女性として、あつかわれたい。女性として、生きたい

これは、「趣味の女装」とは、少しちがう気持ちかもしれません。

急いで、決めない

「自分は、どちらなのか」に、すぐに答えを出さなくて、大丈夫です。

  • 女装が楽しいことと、女性として生きたいことは、別の気持ち
  • 気持ちは、ゆれる。昨日と今日で、ちがっていい
  • 取り返しのつかないこと(薬・手術・仕事をやめる)を、気持ちがゆれているうちに、決めない

性別の違和感は、「心の病気」とは、されなくなっている

自分の性別への、強い違和感。医療の世界では、「性別不合」「性別違和」と、呼ばれています。

世界保健機関(WHO)の、病気の分類では、これは、「精神の病気」の章から、外されています。
「おかしい」「直すべきもの」とは、考えられなくなっているのです。

専門の医療機関が、ある

つらさが続くときは、性別の違和感を、専門にみる医療機関(ジェンダークリニック・精神科)で、相談できます。

そこでは、時間をかけて、話を聞き、どうしていきたいかを、いっしょに考えてくれます。
「行ったら、すぐに何かが決まってしまう」わけでは、ありません。

ホルモン剤を、自己判断で使わない

ネットで買えるホルモン剤や、「女性らしくなる」とうたうサプリを、自分の判断で使うのは、とても危険です。
血のかたまりが、血管につまる病気など、命に関わる副作用があります。子どもを作る力が、もどらなくなることも、あります。

あわせて読む女性ホルモン剤を男性が使う副作用とリスク|後悔しないために、自己判断で使う前に必ず知っておくこと

相談できる、相手

だれにも言えずに、1人でかかえて、苦しくなったら。
知り合いではない人に、話してみる方法が、あります。

同じ立場の人に、匿名で、話してみる

「国の相談窓口に、電話をかける」
それは、気が重い。何を話せばいいのかも、分からない。

そう感じる人は、多いはずです。

そんな人のために、「LGBTQ+・性の悩み相談」を、ネットで受けられるサービスが、あります。
自分も、同じことで悩んできた当事者の人や、カウンセラーなどが、メッセージ・電話で、話を聞いてくれます。

こんな人に、向いています

  • 電話は、にがて。文字で、やりとりしたい
  • 同じ経験をした人に、聞いてみたい
  • 相手を、自分で選びたい(プロフィール・口コミを見て、えらべる)
  • 匿名で、相談したい
  • 「悩み」というほど、はっきりしていない。ただ、聞いてほしい

「女装が好きな自分は、何なのだろう」
「同じように感じていた人は、どうやって、答えを出したのだろう」

そんな、まとまらない気持ちのままで、かまいません。

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使う前に、確かめること

  • 料金は、相手によって、ちがいます(電話は、1分ごとに、かかる形が多い)。先に、金額を確かめましょう
  • 相談にのる人は、資格を持つ人ばかりでは、ありません。プロフィールで、どんな人かを、確かめましょう
  • 医療の相談・診断の、代わりには、なりません。ホルモン剤・手術・診断のことは、医療機関で

公的な、相談窓口

今すぐ、電話で、声で話したい人には、公的な窓口も、あります。

窓口内容
よりそいホットライン 0120-279-33824時間・通話無料。音声の案内で、性別や、同性愛などについての相談を選べる
みんなの人権110番 0570-003-110法務局の相談窓口。平日の午前8時30分〜午後5時15分。秘密は、守られる
住んでいる都道府県・市区町村の相談窓口性の多様性(LGBTQ)についての、電話・SNS相談がある自治体が、ふえている

受付の時間や、番号は、変わることがあります。かける前に、公式のサイトで、確かめてください。

つらさが強いとき・消えてしまいたいと思うとき

すぐに、よりそいホットライン(0120-279-338)に、電話してください。24時間、つながります。

好きになる相手で、悩んだら

「男性に、ひかれる気がする」
「女装をしているときだけ、男性にやさしくされたい、と思う」

これも、めずらしいことでは、ありません。

  • 好きになる相手は、自分で、えらべるものでは、ない
  • だれを好きになっても、おかしくない
  • 女装のときと、ふだんとで、気持ちがちがう人もいる
  • 名前(ゲイ・バイセクシュアルなど)を、自分に、つけなくてもいい

上で紹介した相談の相手は、こうした悩みも、聞いてくれます。

パートナー・家族に、聞かれたら

「女になりたいの?」「男が、好きなの?」

女装を知った人から、よく出る質問です。
相手は、自分との関係が、変わってしまうのではと、不安なのです。

  • 自分の気持ちを、そのまま伝える(「女性になりたいわけでは、ない」「まだ、自分でも分からない」)
  • 「分からない」も、りっぱな答え
  • 相手との関係を、どうしたいかを、伝える
あわせて読む女装趣味を家族や友人に告白・カミングアウトする方法|伝える前に確かめる3つのこと

女装をする人どうしでも、ちがう

女装の世界には、いろいろな人がいます。

  • 趣味として、楽しむ人
  • 女性として、生活している人
  • その、あいだの人

自分とちがうあり方を、「まちがっている」と、決めつけない。

「本気じゃない」「ただの趣味のくせに」「やりすぎ」。
こういう言葉は、だれも、幸せにしません。

相手を、どう呼べばいいか分からないときは、相手が、自分のことを、どう言っているかに、合わせましょう。

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よくある質問

女装をしていたら、だんだん、女性になりたくなる?

なる人も、ならない人も、います。
女装を、何十年も、趣味として楽しんでいる人が、たくさんいます。

子どものころから、女の子の服が着たかった。トランスジェンダーなの?

それだけでは、決まりません。
大事なのは、今、自分がどう感じていて、これから、どう生きたいかです。
答えを、自分で決めつけず、専門の窓口で、話してみてください。

女装のあと、はげしく落ちこむ・自分が、いやになる

「いけないことをした」という気持ちが、強く出ることがあります。
女装は、悪いことでは、ありません。

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だれにも、言えない

言わなくて、かまいません。
ただ、苦しいときは、上で紹介したように、知り合いではない人に、話してみる方法があります。

まとめ

  • 女装をすること・心の性・好きになる相手は、それぞれ別のこと
  • 女装をするからといって、女性になりたい・男性が好き、とは、かぎらない
  • 「自分は、どちらなのか」に、急いで答えを出さなくていい
  • 性別への強い違和感が続くときは、専門の医療機関や、相談窓口へ
  • ホルモン剤を、自己判断で使わない
  • 1人でかかえて苦しいときは、同じ立場の人に、匿名で話してみる
  • 自分とちがうあり方の人を、決めつけない
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