女声の出し方|男性が女性らしい声を出すための、はじめての練習手順
見た目は、女の子になれた。
でも、口を開いたとたんに、「男の声」。
外で、店員さんに話しかけられたら。
友だちと、通話をすることになったら。
声は、女装で、最後に残る壁です。
でも、声も、練習で変えられます。
のどは、筋肉で動いています。筋肉は、きたえれば、動かし方を覚えます。
目次
先に、知っておいてほしいこと
女声は、すぐには出ません
見た目は、その日に変えられます。でも、声は、何か月もの練習が必要です。
1日10分を、毎日。あせらず、続けましょう。
のどが痛くなったら、その日は、やめる。
むりに続けると、声がかれて、もとの声まで出にくくなります。
練習すれば、だれでも女の子の声になれる?
「完全に女性の声」になれるかは、人によります。でも、「男性だと分かりにくい、やわらかい声」には、多くの人が近づけますよ
声が、男性的に聞こえる理由
男性の声と、女性の声のちがいは、「高さ」だけでは、ありません。
| 要素 | 男性の声 | 女性の声 |
|---|---|---|
| 高さ | 低い(100〜150Hzくらい) | 高い(200〜250Hzくらい) |
| 響き | 胸で響く。太く、こもる | 口や鼻のあたりで響く。明るく、細い |
| 息 | 少ない。かたい声 | 多い。やわらかい声 |
| 話し方 | 平ら。語尾が下がる | 抑揚がある。語尾が上がる |
いちばん大事なのは、「響き」です。
高さだけを上げても、響きが男性のままだと、「高い声の男の人」に聞こえます。
逆に、高さがそれほど高くなくても、響きが明るければ、「声の低い女の人」に聞こえます。
なぜ、響きがちがうのか
思春期に、男性ののどは、大きく成長します。
- 声帯(声を出すひだ)が、長く、厚くなる → 声が、低くなる
- のどの空間が、広く、長くなる → 響きが、太く、暗くなる
声帯の長さは、変えられません。
でも、のどの空間の広さは、のどの筋肉の使い方で、せまくできます。
「のどぼとけを、上に上げる」。これが、女声の練習の中心です。
練習の、全体の流れ
| 段階 | 身につけること | 目安の期間 |
|---|---|---|
| ① | のどを、あたためる | 毎回 |
| ② | 裏声を、出す | 1〜2週間 |
| ③ | のどぼとけを、上げる | 2週間〜1か月 |
| ④ | 裏声と地声を、まぜる | 1〜3か月 |
| ⑤ | 息を、まぜる | 続けて |
| ⑥ | 話す練習 | 続けて |
(期間は、人によって、大きくちがいます)
①のどを、あたためる
練習の前に、必ず。
- 水を、ひと口飲む のどが、乾いていると、傷めやすい
- 首と肩を、ゆっくり回す 力を、抜く
- あくびを、する のどが、開く感覚をつかむ
- くちびるを、ぶるぶるふるわせる(リップロール) 10秒×3回
- ハミング(口を閉じて、「んー」) 低い所から、高い所へ
②裏声を、出す
裏声は、女声の「もと」になる声です。
出し方
- 「ホー」と、ふくろうの鳴きまねをする
- アニメのキャラクターのまねで、「キャー」と、高い声を出す
- 遠くの人を、「おーい」と、高い声で呼ぶ
ひっくり返った、細い、弱い声。それが、裏声です。
練習
- 裏声で、「あー」と、5秒のばす
- 裏声で、「あいうえお」
- 裏声のまま、少しずつ、低くしていく(どこまで、裏声で下がれるか)
はじめは、弱々しい声で、かまいません。
③のどぼとけを、上げる
ここが、いちばん大事で、いちばんむずかしい所です。
のどぼとけの動きを、感じる
- のどぼとけに、指を軽く当てる
- つばを、飲みこむ
- のどぼとけが、上に、くっと上がるのが、分かる
これが、「上がった状態」です。
上げたまま、止める
- つばを、飲みこむ
- 上がった所で、止める(はじめは、1秒も止まらない)
- その状態で、「あ」と、小さく声を出す
子どものような、細くて、明るい声が出れば、成功です。
別のやり方
- 高い声で、「い」と言う のどぼとけが、自然に上がる
- あくびの逆 あくびは、のどぼとけが下がる。その反対に、のどを「せまく、上に」
- 赤ちゃんや、子どもの声まね
力を、入れすぎない
首に、すじが立つ。あごが、前に出る。のどが、しまって苦しい。
これは、力の入れすぎです。いったんやめて、首を回しましょう。
④裏声と地声を、まぜる
裏声だけだと、弱く、不自然な声になります。
地声(ふだんの声)の「芯」を、少しまぜて、しっかりした、高い声を作ります。
練習
- のどぼとけを、上げる
- 裏声で、「あー」
- そのまま、少しずつ、声を強くしていく
- 裏声と地声の、あいだの声を探す
「ミックスボイス」と呼ばれる声です。
見つかるまで、時間がかかります。あせらずに。
「が行」を、使う
「が、ぎ、ぐ、げ、ご」を、高い声で言うと、声に芯が入りやすくなります。
⑤息を、まぜる
女性の声は、男性の声より、息の音が多くまざっています。
- ささやき声で、話してみる
- そこに、少しずつ、声を足していく
- 「息7、声3」くらいから、「息3、声7」くらいへ
息をまぜると、声がやわらかくなり、男性的なかたさが消えます。
息が多すぎると、聞き取りにくくなるので、ほどほどに。
⑥話す練習
出せるようになった声で、ことばを話します。
- 「おはよう」「ありがとう」など、短いあいさつ
- 自分の名前
- 短い文(「今日は、いい天気ですね」)
- 本や、ニュースの文を、読み上げる
- ひとりごとで、練習する
話し方のコツは、下の記事にまとめました。
あわせて読む女性らしい話し方|抑揚・語尾・速さ・ことば選びで、声の印象を変える
録音して、聞く
自分の声は、自分では、正しく聞こえていません。
頭の骨を通して聞いている声と、ほかの人に聞こえている声は、ちがいます。
練習のたびに、スマホで録音して、聞き返しましょう。
- 高さは、どうか
- 響きは、明るいか、こもっているか
- 不自然な力みは、ないか
最初は、自分の声を聞くのが、恥ずかしいものです。でも、これが、いちばんの上達の近道です。
あわせて読む女声の練習に使う録音アプリと道具|スマホだけで始める、声の確認のしかた
毎日の、練習メニュー(10分)
| 時間 | やること |
|---|---|
| 1分 | 水を飲む。首を回す。リップロール |
| 2分 | 裏声で、「あー」「あいうえお」 |
| 3分 | のどぼとけを上げて、「あ」「い」 |
| 2分 | まぜた声で、あいさつ・短い文 |
| 2分 | 録音して、聞く |
毎日、少しずつが、いちばん効きます。
週に1回、1時間やるより、毎日10分。
のどを、守る
- 練習は、1回15分まで。長くても、30分
- 痛い・かすれると感じたら、その日はやめる
- 水を、こまめに飲む
- 乾燥した部屋では、やらない。加湿する
- タバコ・お酒は、のどを傷める
- かぜのとき、のどが痛いときは、休む
- 大きな声を、出す必要はない。小さな声で、練習する
声のかすれが、2週間以上続くときは、耳鼻咽喉科を受診してください。
練習する場所
家族がいると、声の練習は、しにくいものです。
- お風呂 響くので、聞き取りやすい。湿気で、のどにもやさしい
- 車の中
- カラオケボックス(1人で)
- ふとんを、かぶって
- 小さな声で(女声は、大きな声でなくても、練習できる)
本で、学ぶ
声の出し方は、文章だけでは、伝わりにくい所があります。
くわしく学びたい人は、当サイトの運営者が書いた本も、参考にしてください。
声が、まだ出せないうちは
練習中でも、女装は、楽しめます。
- 声を出さなくてもいい場面を選ぶ(セルフレジ、ネットで予約)
- うなずく・指さす・会釈で、伝える
- 小さな声で、短く。「はい」「これ、ください」
- マスクをしていると、口もとが見えないので、小さな声でも、不自然に見えにくい
あわせて読むマスク・メガネを使った女装メイク|顔の下半分を隠して、目元だけで仕上げる
よくある質問
声が、もともと低い。それでも、できる?
できます。
低い声の女性も、います。高さより、響きと、話し方を、女性らしくすることを目指しましょう。
どのくらいで、出せるようになる?
「それらしい声が、一瞬出る」までは、数週間。
「会話で、ずっと保てる」までは、数か月〜1年以上かかる人が、多いようです。
手術で、声を高くする方法もある?
声帯の手術で、声を高くする方法が、あります。
ただし、手術にはリスクがあり、響きや話し方までは、変わりません。
あわせて読む男の地声を女声に換える「イェソン音声センター」の音声女性化手術とは? 手術の内容・流れ・受ける前に考えること
もとの声が、出なくなることはある?
正しく練習すれば、もとの声は、そのまま出せます。
のどを痛める練習(むりな大声、長時間)は、しないでください。
まとめ
- 女声は、高さより、響きが大事
- のどぼとけを上げて、のどの空間をせまくする
- 裏声→のどぼとけ→まぜる→息→話す、の順に
- 録音して、聞き返す
- 毎日10分。痛くなったら、やめる
- 声が出せないうちは、声を使わない方法で
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